それからも、
クズ夫との話し合いは
平行線でした。
私がどんなに激しく責めたてても
クズ夫は
「家族と離れたくない」
の一点張りで
離婚を拒否し続けました。
毎日せっせと早く帰宅しては
家族のご機嫌をうかがっています。
私も少し冷静になってきたこともあり、
離婚や引っ越し、苗字の変更、財産分与、
子どもたちの学校や習い事、進路など
さまざまな面倒を考えると
焦って結論を出さなくてもよいのでは、
と考えるようになっていました。
そうこうしているうちに、
ある日の夕方、私の携帯に
知らない番号から
連絡がありました。
ゴリエでした。
「もしもし。」
「あの…✕✕です…。
お時間をいただいてすみません…。
その…お金の準備ができました…。」
「そうですか。
振り込んでいただけたと
いうことですか。」
「はい。今日、振り込みを
させてもらいました。」
私が請求した金額は300万円。
ゴリエの職場に乗り込んだあの日、
私は
「親戚からかき集めてでも
支払ってもらいます」
と言い放ちましたが、
子なし共働きの教員夫婦なら、
こんな金額、どうってこと
なかったのかもしれません。
案外、早く事が運び、思い通り
白黒はっきりさせられたことで
私は勝ち誇った気分でした。
「本当に、すみませんでした…。
謝罪文は、このあと
郵便で送らせてもらいます。」
「わかりました。」
私は手短かに電話を終えると
銀行に向かい、通帳を確認しました。
ゴリエの言ったとおり、
300万円がちゃんと入金されていました。
不倫撲滅ドットコム 美咲
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