またしばらく沈黙が続いたあと、
ご主人が口を開きました。
「 さきほど、慰謝料を
請求すると言っておられましたが…。」
「 はい。そのつもりです。
300万。
大丈夫ですか。」
「 いや、うちは夫婦のお金は別々なので
僕はかまわないんですが・・・。」
この夫婦には子どもはいません。
二人とも教員で共働き、
家も建てておらず賃貸みたいだから
金銭的には余裕でしょう。
「それって・・・、ぼくも
あなたのダンナさんに
請求できるってことですよね?
慰謝料を。」
「まあ・・・そうなりますね。」
たしかに。
当然、相手も立場は同じですから、
慰謝料を請求する権利があります。
どうぞどうぞ。
と言いたいところですが、
我が家の家計はもちろんひとつ。
ダンナがメインの稼ぎ頭です。
家のローンと子どもの習い事などの教育費、
さらには学資保険などで家計はカツカツ。
貯金もほとんどなく、
毎年、車の税金や車検などの大きな出費
のたびに頭を悩ませていたほどでした。
「 ただ・・・。
子どものこともありますので、
お手柔らかにお願いします…。」
正直、勝手な言い分ですが、
私はそう伝えました。
「 離婚はされるんですか?」
ご主人はそう聞いてきました。
「 気持ちとしては今すぐ離婚したいです。
でも…、わかりません。
子どもたちのことをまずは
考えなければいけませんし…。
私もずっと非常勤
(パートのような働き方)
ですので、急に一人では暮らせません。
家も、夫婦2人の名義で
買ったものですし。
簡単じゃなくて・・・。
少なくともすぐには…離婚できないです。
子どもが中学生とか、
高校生になったらとか、
そういうタイミングで
別れるのかもしれないし、
あるいはもっと、
子どもが独立してからとか…
それはわかりません。
今はまだ、具体的には
考えられません・・・。」
「 そうですか…。そうですよね…。」
不倫撲滅ドットコム 美咲
初めから読みたい方はこちら
↓ ↓