久々に見るクズ夫は、やつれた表情で
とてもみすぼらしく見えました。
私と目を合わせようともしません。
うつむいて、ゆっくりと私の前に歩み寄ると
正座をして座りました。
しばらくの沈黙のあと、
「今日、校長と教頭に呼ばれて…」
と切り出しました。
「学校に、こんなのが届いたけど、
おそらく、奥さんだね、って
書類見せられた。」
「…ふーん。」
せっかくわざわざパソコンで書いたのに、
すぐに妻だとバレバレか。
そりゃそうですね。
こんなことするの、妻しかいない。
「校長先生たち、
驚いてた?」
そう聞くと、
「管理職には先に、
実は自分が誤解を招く行動をしてしまって
今、ちょっともめてるって
報告しておいたから、
まあ、そんなには驚いてなかったけど」
(…チッ)
こういうところが、
クズ夫のずる賢いところなのです。
上司や保護者に怒られそうなことは、
自分から先に報告して謝るのが
クズ夫のモットーでした。
(…今回の不倫に関しては、
私に報告することはできなかようですが)
誤解を招くも何も、
完全なW不倫ですけど。
まあ、管理職の人たちも、
あれを読めばわかったでしょう。
「それで、校長先生は
なんて?」
「…ここに書かれている女性との
不倫関係は事実なんだね、
って聞かれて、はいと答えて…。
今どうなってるの、
これからどうするの、って。」
「…。何て答えたの。」
「その女性とはもう会わない、
家族とやり直します、って答えた。」
「…。」
家族とやり直します、なんて
よく言えたものです。
それを決める権限はもう、
この人にはないのに。
クズ夫は続けた。
「校長は、とにかく
奥さんに許してもらえるまで
心から謝るしかないって。
それでも許してもらえるかどうかは
わからないと言われた。」
(…そりゃそうだ。)
「だからちゃんと謝りに来た。
本当に…僕が馬鹿だった!」
クズ夫はおもむろに、
土下座をし始めた。
「ごめんなさい…!!」
不倫撲滅ドットコム 美咲
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