「 すみません、
こんな部屋でいいですか?
散らかってますけど・・・
どうぞ・・・ 」
そう言って、ゴリエは
長机にパイプ椅子の
会議室だか物置だかわからない部屋に
私たちを通しました。
「 子どもたちです。
大きくなったでしょう?」
「 え、ええ。
本当に・・・ねえ。」
そんな会話をしてから、
パイプ椅子に腰かけました。
私と子どもたちは並んで座り、
向かい合うような形でゴリエが
座りました。
落ち着かない様子のその女に、
私は単刀直入に伝えました。
「 もう主人から聞いていると
思いますけど、
あなたたちのメールを
見てしまいました。
一体どういう関係か
説明してもらえますか?」
おそらく、すでに主人とゴリエは
連絡を取り合い、口裏合わせなどを
しているだろうと予想していました。
案の定、
「 どういう関係って…。あのぅ、
だいぶ誤解があると思うんです~。
そんな、奥さんが思われているような
関係じゃないんですぅ。
相談に乗ってもらったりとか
していただけで。」
などとしらばっくれはじめました。
「 誤解?
これを読んでも
そんなことが言えますか? 」
私はすかさず、持ってきた証拠の品を
ゴリエの前に広げました。
200通を超える
ラブラブメールのコピーです。
それを見ると、
ゴリエは青ざめたような表情を
見せました。
おそらく、メールを見られたとは言っても、
最近のごく一部のものだけで、
ここまでたくさん読まれたとは
思っていなかったのでしょう。
してやったりです。
メールのゴミ箱にあった
大量のメールをすべてプリントアウト
したのですからね。