私の率直な印象としては
“くまさん”のような雰囲気の
男性でした。
正直、”いい人そう”な感じでした。
まだショックで頭が回らないのでしょう、
ぼんやりと手元を見つめるその表情は
痛々しくもありました。
私はほんの少し、
自分のしていることに
罪悪感を感じながらも、
話をつづけました。
「 結婚、何年目ですか?」
「 ・・・7年目です。」
「 そうですか。」
「 そちらは?」
「 うちは、
12年目になりますかね…。」
「 これまで、こういうの
ありましたか?」
そう聞かれて、少し考えました。
「 いえ・・・。たぶん・・・。」
ウチのクズ夫は女好きではある。
これまでも、私の妊娠中に
教育実習生とゴハンを
食べにいったり、
子どもがまだ生まれたばかりなのに
飲み会に行き、女に送ってもらって
帰ってきたりして私を激怒させたり…
そんなことは確かにありました。
でも、さすがに
それ以上深入りすることは
ありませんでした。
というか、今どき
既婚男性とわざわざ関係を持つ
バカ女など、
そうそういないでしょう。
賢い女は、そんなことしない。
良識もあり、美しい女は
そんなことをしているヒマなどない。
こんな火遊びに夢中になるのは
恋愛経験の乏しい
顔も心もブスな女だけなのだ…。
「 僕は、知らないほうが
良かったのかもしれません…。」
ゴリエのご主人は、そうつぶやきました。
知らない方が、良かった?
そんなこと、あるでしょうか?
私は力強く、
真っ向から否定しました。
「 そうでしょうか?
パートナーの裏切りを
知らないままで
本当に幸せですか?
ずっとだまされたままなんですよ?
絶対、知った方がいいに
決まってるじゃないですか。
そりゃ傷つきますけど、
私は知って良かったです!
絶対に!!」
私の勢いに、ご主人も
「 そうですか・・・。
そうですよね。」
とだけ答えました。
不倫撲滅ドットコム 美咲
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